デジタルカメラによって写真の表現領域は、広域になってきました。
撮影と露出のスキルはフィルムから変わっていませんが、
仕上げに関して言えば、多くの方が迷子のような状態になっています。
つまり、行き先が見えずに迷ってのです。
なぜ、そうなるのでしょうか。
もちろん、PhotoshopやLightroomなどソフトの使い方に慣れていないというケースも有りますが、写真仕上げに関してはソフトの知識や技術だけでは解決しない大きな問題があります。
それは、観察眼です。
フィルムで撮影する場合は、必要のない観察眼がデジタル仕上げ(レタッチ)には必要です。
たとえば、シャドー部分の階調です。シャドー部分は光が当たっていないからシャドーなのですが、光の当たっている被写体を仕上げでコントラストをあげようとした時に、当然シャドーもコントラストが上がってしまいます。
これが不自然だと言われる所以です。
では、シャドーとは何か、について考えてみましょう。
大きな部屋にスポットライトが一部あたっていると想像してください。
そのスポットライトの下に白紙を置いたら何色でしょうか。
白ですね。
では、光の当たっていないところまで白紙を持って行ったら同じ色に見えるでしょうか。
グレーに見えますね。
これが、赤だとどうでしょうか。
光の状況によりますが、黒っぽく見えるはずです。
つまり、同じ色には見えずに彩度が低く、実物よりも暗く見えるということです。
ということは、仕上げの際にはシャドー部分の彩度を低くすることで、自然に見えるわけです。
逆に言うと透過光で花びらが鮮やかに見えるときに、肉眼では彩度が高く見えるので、彩度を高めに仕上げても違和感を感じません。
他にも多数、写真の写りと実物が違うことは多く、撮影しただけで写真になるかといえば殆どの場合は違うということです。
デジタルで撮影されている方は、よく被写体を観察して、写真で再現する際に調整して自然に表現できるようにスキルを磨きましょう。
最後に、逆説的ですが、写真は忠実に再現することが正しい訳ではありません。
作品の内容によっては、コントラストを強調したり、弱めたりしますし、あえて彩度を低く表現することもあります。
このあたりが写真の難しさといえる部分かもしれません。
このために講座があるのです。
写真表現を確実にレベルアップさせるならば、的確な判断の出来る人に指導を受けることがスキルアップには必要不可欠といっていいと思います。
手前味噌ですが、当サイトのWeb講座は、その点に力を入れています。