アスペクト比ってなに?

16:9
16:9
1:1
1:1

最近の作品を見て、写真の比率が変わってきていると感じていませんか。

今までであれば、35mmフィルムカメラの比率である3:2が主流でしたが徐々に比率が自由になってきました。

この傾向は益々顕著になっていくでしょう。パソコンや地デジの普及によって、16:9という細長い比率にも眼が慣れてきていますので、今までのように規格化された比率のみでなく、さまざまな比率の写真がでてきています。

コンパクトデジカメでも1:1という真四角な写真比率のモードも有りますし、パノラマ撮影のように細長い比率の作品も出てきています。

しかし、この比率に関しては、写真はかなり寛容でした。フィルム時代から、16:9の比率のカメラもありましたし、6×6という中判カメラもありました。

しかし、大きな違いは、デジカメだと一台のカメラでその全ての比率が使用可能ということです。もちろん35mmフィルムでもトリミングすればいいという意見もありますが、フィルムの場合は、粒状性の問題があり安易にカットすることを戒めています。もちろん、デジタルカメラでも画面のカットし過ぎは良い結果を得られません。

とはいえ、この比率に関してあまりよく分かっていないで使用している人がいます。というよりも全く気づかずにアスペクト比を変更している人もいます。

アスペクト比はなぜ多様にあるかといえば、作品のイメージに合わせて変更するためにあるので、ちょっと余分に写ったからカットするのに都合がいいからではありません。

基本的に1:1を始めとする正方形に近い形のアスペクト比を選ぶときはクラシックな印象のものに合います。

横長な16:9のような細長いアスペクト比は海や雲など大きな横に広がりが大きい被写体によく合いますし、現代的な印象を伝える際に使用すると効果的です。

ただし、16:9のように細長い比率のアスペクト比は縦位置撮影には不向きです。基本的に横位置のみの比率とも言えます。

そこで、縦横兼用として最も適している比率が3:2の35mmフルサイズということになります。横の表現の時には広がりを表現しやすいですし、縦も遠近感を強調したい絵柄の時には、好都合な比率です。

安易にアスペクト比を変えるのではなく、作品のイメージによって変えることが最も良く、基本の設定は最も黄金分割比に近い3:2の比率にしておくほうがいいでしょう。

ちなみに、黄金分割比は1:1.618です。