風景写真など、天候に左右される撮影では、撮影地についた時に全く思った状況と違った場面に出会いますね。
たとえば、ヒマワリ撮影で夕焼けをバックに撮影する予定で行ったのにもかかわらず、ほとんどのヒマワリが萎れてしまっていて、天候も良くない。こんな時、誰しもモチベーション(やる気)が下がります。
しかし、そんな時こそ「技術」を使って表現するチャンスです。
思った状況にないときこそチャンスと捉えて色々なテクニックを加えて表現してみましょう。
ヒマワリが萎れていれば、萎れていない花を見つけて萎れた花と組み合わせることで、生命力を表現することができます。このような対比効果は力強く咲いている花を強調する効果があります。全部が綺麗に咲きそろっているときはシンプルにその風景を捉えるということで成立しますが、萎れた花がほとんどの場合はそういきません。
こんな時こそ、日中シンクロで撮影をするチャンスです。
今回は、最も簡単にできる夕景での日中シンクロの方法を説明します。
まず、露出を空に合わせてストロボをカメラに取り付けヘッドを空に向けてセットします。この時、絞り優先で、絞りは11~16にセットしてシャッタースピードを確認します。1/125秒以下であれば大丈夫です。
そして、金色のレフ(金色のレフは白飛びしにくいし、ヒマワリを鮮やかにしてくれます)を使ってストロボの上にかざすようにもって、角度をヒマワリに調整をすればトップバウンスで撮影出来ます。
なぜ、トップバウンスか?
まず、正面からでは、ストロボをあてた被写体の影が後ろの被写体に出来てしまい不自然になりますし、そもそも太陽は正面にはないからです。
光は常に上にありますから、光は上からが基本です。
撮影方法としては、外付けマニュアルのストロボの場合、発光部からレフ板、レフ板からヒマワリまでの距離にガイドナンバーを合わせるだけです。
絞り11で撮影するなら、ガイドナンバーが32程度(最も一般的なストロボはほとんどこのガイドナンバーです)のものであれば、パワーレシオを1/4程度にして撮影します。
後はレフ板を撮影ごとにレフ板の位置を上下させれば、光量を補正した段階露光と同じ効果になります。
外付け純正オートストロボなら、そのままのオート撮影でOKです。
ストロボの明るさを調整するにはストロボの調光補正ボタンで補正すれば光量補正できます。
よく勘違いする方がいますが、日中シンクロでストロボの明るさを調整する場合は、カメラ側の露出ではなく、ストロボの調光補正です。補正のマークに雷マークの付いているほうです。
撮影はジャズで言うジャム‐セッションと同じです。状況によって即興的に対応する気持ちの余裕が大切ですね。
風景は時に荒々しく、時に優しくやわらかな光で状況を演出します。その時々の状況に合わせながら、自分なりの風景を撮影していく。
この気持が大切です。
そして、このような表現が可能になるのは、「諦めない」気持ち以外にありません。