写真はリズムだ。

 今まで写真が上手と褒められていた人が、写真の教室へ行ってからヘタになってしまうことがある。

 だいたい、写真の上手下手はどこで決まるのか?という事への答えも相対的なもので絶対というものは無いが、簡単に言うと型にハマっている、バランスが悪い、露出が悪い、ピントが甘いなど人が感じる美意識から外れていることがヘタということになるのであろう。

 一般に左脳は論理を司る脳で、右脳はイメージを司る脳と言われているが、ある実験によるとあらゆる分野において達人と言われる人は、最も重要な局面(集中や判断を下す状況)で左脳よりも右脳が働くと言われている。多くの人が論理的に判断をくだす状況であっても、達人はイメージで判断を下しているということになる。これを直感というのであろう。

 すなわち、先にあげた写真が上手だったのに下手になったと言われる人は、感性が良かったのに、教室で知識や情報が多くなったことによって、直感よりも論理的に判断して写真を撮影するようになってしまったのである。

 確かに、写真を構成する要素は、複雑で難解と言われている。

 ちなみに、被写界深度・過焦点距離・有効露光域・露出の許容度・ISO感度・露出倍数などの言葉を聞いて意味を理解できる撮影者はどれほどいるであろうか?また、それを撮影に際して意識して活用できているか?

 ほとんどの方はNOであろう。

 勿論、これらの構成要素を考えながら撮影していたのでは、息苦しくなって当然である。しかし、写真はこれらの要素なしで有り得ないのである。

 では、どうしたらよいか?

 それは、撮影するときは直感でいい。何ミリで撮るか、露出はどうかと考えずにこんな感じが「良い感じ」で撮影するのである。

 ただし、ここが重要であるが、撮影後は何故そう仕上がったのかを考えるのである。

 つまり、撮影時は直感・撮影後は論理的に考える。

 これの繰り返しである。

 写真は、絵画よりも音楽に近いと言われている。

 と言うことは、リズムが大切なのである。

 軽快に気楽にジャズのセッションのように写真を撮影すると活き活きとした写真になってくる。

 そのためには、カメラの操作に習熟することも大切である。

 コツは簡単。

 機会を捉えて、ドンドン写真を撮り、撮った結果を自分なりに判断したり、教室へ行って添削や知識・技術を学んで不足しているスキルを磨き上げていく。

 これが、上達への近道である。