雨の日の撮影の対策グッズといえば、レインウェアや傘などが一般的だが、更に欠かせないグッズとしてブロアーがある。ブロアーは通常の撮影でも、レンズの交換時にレンズのフロントやリヤ部のゴミを吹き飛ばしたり、フィルム交換時にカメラ内のゴミを吹き飛ばすために使用することが一般的だが、雨の日のレンズに付着した水滴を取り除くために使用すると意外なほど効果がある。
雨の日は撮影時に気が付かないことも多いが、プリントしてみると雨天時の撮影した画像は水滴が付いていることが多い。特に広角レンズは被写界深度が深いゆえに、より水滴が目立ってしまう。よく見かける光景であるが、レンズに付いた水滴をクロスやティッシュペーパーなどで拭く撮影者がいるが、これはレンズに拭きムラが残り画質を著しく劣化させてしまう。そこで、撮影直前にレンズについた水滴をブロアーで吹き飛ばして撮影するのである。
具体的な実践のコツは、中央より放射状にブロアーで水滴を移動させて、レンズの外枠から外へと飛ばしてしまうように風を送る方法である。放射状にブロアーで風を送らないと水滴が左右に移動するだけになってしまうので、中央から外へ外へと水滴を移動させるようにすると良い。外枠近くにある水滴は撮影にはさほど支障がないので、是非この方法を実践して水滴対策をしてほしい。以上の話は広角レンズで特に効果的である。なぜなら広角レンズは、フードが小さく傘などで雨を遮っていても水滴がつくことが多い。しかし、望遠レンズは、フードが大きいので水滴は付着しにくい。よって、雨天撮影時の望遠レンズは、フード使用が第一。それでも水滴が付着したらブロアーということになる。
レンズ保護フィルターも、最近では撥水+防汚コートしたレンズ保護フィルターがマルミやケンコーから出ているので、これらのフィルターを使用すると水滴を吹き飛ばし易くなる。ただし、水滴が全く付着しないフィルターはないので、必ずレンズに水滴が付いているかどうかを確認してから撮影する習慣を身につけていただきたい。